奥田の剣道コラム

Number027 2022/05/31


 ハーイ!剣道kids!保護者の皆様!ご縁をいただいた皆様!お元気ですか?  先日の稽古終わりに、四段合格の賞状をいただきました。亡妻の仏前に供えてます。ありがとうございました。私のように、若い頃に剣道を経験、長いブランクを経てまた剣道をやる、そんな人をリバイバル剣士と言うそうです。今回はリバイバル剣士・奥田の四段挑戦記!!をお伝えします。

 3月21日の審査会でした。四段の受審者43名、合格者11名。受審者の内訳は 若者が半数、40代、50代以上が各10名程でした。私は、共に審査を受ける対戦相手を観察しました。散髪は?してない。面手ぬぐいは?あれ?小手を揃えて、その上に面は置いてる。普通はその上に面手ぬぐいをかぶせ、、あれ?私らは 後半の組です。その方は20番の審査が始まっても面手ぬぐいをかぶせない! 私は「ひょっとして面手ぬぐい忘れてきた?私の貸そうか?」そんな気持ちが 湧きました。30番の立ち合いが始まった頃、私は心配で心配でたまらなくなりました。「面手ぬぐい忘れたんですか?」、そう声を掛けようかと思った 時、まさかの光景!その方は面の中から野球のボールのようなものを取り出しました。その丸まったもの!それこそ私が待ち焦がれた面手ぬぐいでした。

 自分の事に集中すればよいのに、余計な事を考えた自分を叱りつけました。 改めて、一番大きな声を出そう、大きな打ちをしよう、大きな残心をしよう、 館長先生が仰った「開始から10秒は打たずにガマンする」を言い聞かせました。 さぁいよいよ私の番です。審査は試合と違って、周囲の四角い線がありません。 私は蹲踞(そんきょ)に向かう一歩目で気付きました。「アカ〜ン!届かへん!」 そんな私は三歩目でまさかの大ジャンプ!!審査の先生方の失笑がハッキリと 聞こえました。 四段ぐらいまでの昇段審査なら、大人になってから剣道をはじめた方やリバイバル剣士 のこうした「ほのぼの」とした光景を見ます。でもまさかそれを自分がやって しまうとは、、。

 でも先生方の笑い声で逆にリセットできました。「俺の発声を 聞かせてやるぜ」そんな気持ちになりました。蹲踞から立ち上がり、半歩進みつつ「ェィヤー!!!」、武道センターの窓ガラスがビリビリと震えました。 失笑していた先生方が前のめりになるのが解りました。

後記 私は前日に墓参りをし、散髪もし、面手ぬぐいはアイロンピシーッ! 会場には当然一番乗り、心構えとしては当然です。あとは「いつも子供達に言っている通りの剣道をしよう!」、そう思いました。すなわち 「大きな声」「大きな打ち」「大きな残心」です。 「試合は稽古の如く、稽古は試合の如く」です。「闘う相手は自分!」です。ご指導いただいた先生方、稽古を付けてくれた 子供達に感謝です。でもその日の最大の収穫は、子供達の試合稽古のたびに、「そこじゃ三歩で届かんやろ!!」、偉そうに子供達に言っていた私自身を 「初心」に戻してくれた事でした。初心と言えば初心者の子供達が増えました。 なんとかサポートしてあげたいと思っております。


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